コラム

社交ダンス物語

2017/09/01更新

社交ダンス物語 208 如是我聞

如是我聞


 如是我聞(にょぜがもん)、これは仏教で経文の冒頭におかれる言葉です。「私はこのように聞きました」と始まります。『お経』には、弟子の問いかけに対して、お釈迦さまが答える形で構成されているものが多いですよね。当時は文字がなかったので、教典になったのはずっと後のこと。
 
 さて、話をダンスへ。ダンスパーティーで初めての男性とワルツを踊る時、自分は非常に戸惑います。通常ワルツの第一歩目は、ナチュラル・ターンから始まります。社交ダンスでは、男子が仕掛ける側で女子は受ける側。相手が仕掛けてくるナチュラル・ターンがアウトで来るのかインで来るのか、即時に判断できないのです。
「すぐに分かるわ。」
パーティー慣れしたご婦人なら、そうでしょう。でも、自分はダンス発達障害。(第207話)本当に危険なのです。イン・アウトを一歩間違えば、膝と膝が激しくぶつかり合い、大けがにつながりかねませんので。
 
 安心・安全・確実にダンスを楽しむため、行きつけのダンスホールでご一緒しているベテランの女の先輩に問いました。初めての人とワルツを踊る時の、イン・アウトの識別の極意とはいかに。その答えとは…。
『股関節をゆるめて、お尻をあげて待っているの。すると男子が入ってくるから、その時に分かるわ。』

 如是我聞、目からウロコ。踊り出す時には、固く身構えていた自分でした。仰せのとおり力を抜いてお尻をあげて待っていたら、今まで分からなくて苦悩していたイン・アウトが、すんなりと分かるではありませんか! パーティーで初めての男性から誘われても、もうコワくありません(笑)。筆者と同じ、ダンスで戸惑う女性の方々へ、これは是非ともお伝えしてゆきたい奥義です。はい。


★リーダー:「成子さん、病院エッセイでしょ。ダンスを知らない人が読んだら、官能小説と思われるかも!!」

著者名 眼科 池田成子

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