コラム

社交ダンス物語

2017/11/15更新

社交ダンス物語 213 食をみつめる

食をみつめる


 ダンス雑誌『ダンスファン』、筆者は愛読しております。ダンサーのための踊れる身体づくりの栄養編は、興味深く読ませていただきました。見た目以上に動けてこそ本領のダンサーと言えるそうで、トップ・プロの選手達が美しい体型を維持しているのは、「食べたものがすぐに使える」代謝の良いボディだからだそうです。『健康ダンサー』は少々カロリーオーバーしても、筋肉を確保しており、太りにくいそうです。確かに、ボールルームダンスのカレンダーを飾るトップ・プロの筋肉はスゴい!女性ダンサーも背中や二の腕、太腿の筋肉が隆々としています。なおダンサーなら、1日3食は鉄則とのこと。他方『不健康ダンサー』は、踊る前後にお腹のムシをなだめるため、ちょっとしたスイーツが手放せないとか。それってまさに自分達のこと。(苦笑)しかもパートナーは、朝ごはんが苦手。(1日3食は、競技会の当日だけ)

 美しさを磨くため、どんな美容法よりも効果があると本誌が推奨しているのはオメガ3脂肪酸。高い化粧品を使わなくても、一生ものの肌はキープできるそうです。オメガ3脂肪酸といえば、サバ、マグロ(トロ)、イワシ、サンマなどの青魚やナッツに多く含まれていますよね。体内で合成できない脂質なので、食べないとどんどん足りなくなってしまうそうです。自分達チビ・ハゲ組は、ナッツが大好き。毎日こぞって食べています。実はオメガ3脂肪酸は、目にも良いのですよ。オメガ3脂肪酸は炎症を抑制する効果があり、「眼のメタボ」といわれ、日本人の失明原因の上位を占める加齢黄斑変性のリスクを下げる効果があることが報告されています。

 さらに本誌では、緑黄色野菜の摂取が推奨されていました。緑黄色野菜にはビタミンAが多く含まれており、動体視力の必要な競技ダンサーには欠かせないとのこと。ここで眼科医も、緑黄色野菜の摂取を推奨いたします。緑黄色野菜の中には黄斑色素(ルテイン)が豊富に含まれています。網膜には黄斑色素という黄色い天然色素が存在しており、黄斑色素は有害な光が視細胞に届かないよう光に対する防御フィルターの役割を果たしています。ルテインも体内で合成されないため、食事から摂取しなければなりません。黄斑色素が少なくなると、網膜は有害な光からより障害を受け、眼の病気を起こしやすくなります。その代表的な病気に、前述した加齢黄斑変性があります。

 ダンス雑誌の栄養篇の紹介から、眼の病気へと話が発展してしまいました。では行き着くところまで、眼科医にお付き合い下さいませ(笑)。黄斑色素(ルテイン)は、ケールやほうれん草、ブロッコリーに豊富に含まれているので、これらの野菜を摂取することで、網膜の黄斑色素を増やすことができます。ルテインの適正量は10mgといわれます。一日にルテインを10mg摂るには、ほうれん草なら一束、ブロッコリーなら2株、卵黄なら50個、ケールの青汁なら約1杯。ケールは苦いし、そんなに沢山の野菜は食べられない、ムリと悲鳴をあげる方のための強い味方として、ルテインを含むサプリメントが市販されておりますのでご安心を。なお黄斑色素は、年齢とともに減ってゆきます。加齢以外に黄斑色素を減少させる要因として、男性であること、喫煙、肥満、糖尿病、緑内障、近視、過度の光暴露があります。タバコを吸う太った中高年の男性は要注意ですね。

 最後に、食べたモノが自分になります。ダンサーもそうでない方も、バランスよく食べて美と健康を維持したいものです。冬の我が家でつくるといえば、お鍋ですよね。野菜がたくさん摂れるし、体がぽかぽか温まります。塩分控え目で、タンパク質やコラーゲンたっぷりのヘルシー鍋は体に良いのですが、時には頑張った自分へのご褒美を! おいしいものを本気で食べようと思ったら、健康を考えてはいけません。ここで特別の日に、筆者が小粋に楽しむお鍋をご紹介いたしましょう。
1.白菜を適当に切って、鍋の底に敷く。
2.白菜の上に、豚バラを並べる。
3.ひたひたになるまで鍋に日本酒を注ぐ。水を入れないのがポイント。
4.鍋を火にかけ、煮立ったら味噌を入れる。
5.日本酒を飲みながら、鍋をつっつく。
このレシピは、母友(第132・第211話)から伝承いたしました。


★良い子は絶対に真似をしてはいけません!

著者名 眼科 池田 成子

前の記事 次の記事 一覧へ戻る 前の記事 次の記事