コラム

社交ダンス物語

2018/12/01更新

社交ダンス物語 241 ああ、勘違い!

ああ、勘違い!

 世の中、『勘違い』は少なくないのでは? ここで眼科医からクエスチョン。目薬は何滴さしていらっしゃいますか? 沢山つけた方が良く効くと思っていらっしゃるなら、それはNG!

 目薬は1滴で充分です。ちょっと専門的なお話をしますね。目には涙を溜めておくところ(結膜嚢:けつまくのう)があります。通常そこには7−8μL(1マイクロリットル=0.001ミリリットル)の涙が溜まっています。結膜嚢の容量は20−30μLです。点眼1滴は約30−50μLなので、1滴の目薬を入れても大部分は目の外に流れてしまいます。良く効きそうな気がして、一度にたくさん何滴さしても、それは無駄。ティッシュペーパーの肥やしになるだけ。あふれ出た目薬は、目の周りの炎症を起こすなど、副作用の原因にもなりかねません。
 
 さて、目薬をさした後に、パチパチまばたきする人はいませんか? まばたきすると薬が目の奥や表面へゆきわたり、より効果があると思い込んで。
「パチパチしなさい。」
お子さんの目に目薬をさした後、そう指示なさるお母さんもいらっしゃるようですね。でも、これもNG! ちなみに、患者さまにおたずねしたところ、過半数の緑内障患者さまは点眼直後にまばたきをしていらっしゃったという事実に、眼科医は仰天!(涙…涙)

 ここで眼科医からのメッセージ、点眼後はまばたき厳禁です。目と鼻はつながっています。目薬をつけてまばたきすると、まぶたのポンプ作用で薬は速やかに涙点を通って鼻のほうに流れ出てしまいます。よって、薬の効果を弱めるので逆効果。緑内障の目薬の中には循環器や呼吸器など、全身への影響を及ぼすものがあります。鼻に流れた目薬は粘膜から吸収され、副作用の原因となります。点眼直後に目頭を押さえたり、軽く目を閉じたりしていると鼻へ流れ出る量が減って目に浸透する量が増えるため、効果は上がり副作用も減ります。

 なお、目薬は黒目のド真ん中へ落とさなければならないと固執し、コワい顔で真剣に容器の先とにらめっこしている方がいらっしゃるなら、それも勘違いです。黒目の真ん中へ点眼する必要などありません。指で下まぶたの皮膚を軽く引き、下眼瞼結膜(かがんけんけつまく:下まぶたの内側)にさせば安全かつ確実に点眼することができます。

 目薬を例にとってもお分かりかと思います。世の中は、実に勘違いの宝庫です。さて、話をダンスへ。ワルツといえば3拍子の曲に合わせて、ライズ・アンド・フォール。高くなったり低くなったりしますよね。低くなる所では「低くならなきゃ!」と、意図的に沈んでいる人はいませんか? 自分がそう。先日コーチャーに指摘されました。これはNG! 上体は常に「高い・高い・高い」を意識、足が開くから低くなるそうです。あと、シャッセ・フロム・PPで移動する際、出ようとして懸命に足を出していましたが、これもNG! それでは進めませんとのこと。ボディのゆく所へ、足がつくのだそうです。みなさんご存知でしたか? 
「そんなの常識さ!」
そうでしたね。ダンサーの常識でした。(苦笑)


☆成子さん、目薬はドボドボ・パチパチが正しいと思っていたよ。:リーダー談

著者名 眼科 池田成子

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