コラム

ピアニストの健康エッセイ

2010/06/01更新

ピアニストの健康エッセイ 12

イライラを鎮めるために


 最近怒りっぽくなった、と感じることはありませんか。
身近な物事にだけではなく、新聞を読みながら社会に対してもイライラするなど・・・。一時的ならともかく、もし長く続くようなら要注意です。

 イライラしやすい性格は「A型気質」といわれ、動脈硬化を引き起こしやすく、心筋梗塞や脳卒中になる危険が高いそうです。健康のためには、なんとか静かな気持ちで穏やかに毎日を過ごせるといいですね。

 そういう私自身、実は瞬間湯沸器のような性格で、癇癪持ちです。
自分を弁護するわけではありませんが、周囲を見ても音楽家はそういう気質の人物が多いような気がします。

 バッハもベートーヴェンも怒りっぽい性格だったといいます。
そうでなければ、起伏のある曲は生まれなかったでしょう。
そして、怒りには時としてものすごいパワーが潜んでいる、と痛感できる曲もあります。

 ショパンのピアノ曲「革命」はご存じでしょうか。愛する祖国ポーランドが侵攻された怒りと絶望をぶつけた曲です。これを聴くと大抵の場合、自分の怒りがたいしたことではないように感じられます。(プレリュード第24番も同じ内容の曲です)
怒ったときにはこうした、次元の違う怒りを表した音楽に圧倒されて、感情を鎮めるといいでしょう。

 それでも、どうしてもイライラが続くなら、ホルストの組曲「惑星」の中の「火星」をお勧めします。思い切って別の星を旅してみて下さい。
間違っても、ヒーリング系の穏やかな音楽は聴かないようにしましょう。逆効果になってしまいます。

 さて、気が短い音楽家ですが、わりと長寿が多いのは何故か。
怒りが冷めるのも早いからです。感情的に忙しく、さらに内に溜め込まないからではないのかと思います。

 それにしても、このエッセイを自称「怒ったことがない穏やかな性格」の音楽家が読んだら、すぐさま「怒り」の抗議が来そうですが、いかがでしょう。



著者名 丸山美由紀(ピアニスト、糸魚川市在住)

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