コラム

ピアニストの健康エッセイ

2010/07/09更新

ピアニストの健康エッセイ 13

ダイエット


 毎年、夏が近づくと始めたくなるのがダイエット。
薄着になると体の線を気にして、つい食べる量を減らしたくなるのですが、体重と一緒に体力まで落としてしまうと大変です。

 ところで、私は日本人女性としては大きい方で、骨太でがっしりとしています。長く住んでいたヨーロッパでは標準サイズなのですが、日本に帰ってみると同世代の女性の華奢なこと!しかも、痩せる必要のないような細い人でもダイエットに励んでいることがありますね。
そういう私自身も、実はやみくもにダイエットに夢中だった時期がありました。

 とくに帰国直後、おしゃれを存分に楽しみたい時期だったので、食事制限をしたりジムに通ったり・・・。目指すは脱・骨太の印象から華奢な体型だったのです。

 しかし、そうして痩せるほどに冷え症が悪化して風邪をひきやすくなり、いつもどこか身体の調子が悪かったような気がします。
元々の体格・体質に合わないスタイルを無理に求めると、どこかに歪みがくるのは当然でしょう。

 
 音楽にも同じことが言えます。


 あの先生の門下は皆同じ弾き方をする・・・などというような批判を、昔からピアノの世界ではよく耳にします。右に倣え、の演奏スタイルはどんなに上手でも個性がなく、演奏者本来の良さが出てこないということです。確かに模倣に終わる演奏は(真面目な生徒にありがちなのですが)印象に残りません。
良いものの真似をすることは成長に不可欠なので、一概に否定はできないのですが。

 要は、個性を生かしきれず不自然であることが問題なのです。
たとえ多少常軌を逸した演奏であっても、独自の個性が輝いている人は魅力的です。

 歴史に残るピアニストは皆そうですが、その中でもホロヴィッツ(1903−1989)がその代表と言えるでしょう。
同じ曲を様々な演奏家で聴き比べると、それぞれの特徴が何かわかり、音楽をより楽しむことができます。


 さて話をダイエットに戻しましょう。


 痩せることを考えなくなってから、私はまず体調が良くなりました。
自分のベストな体重と食生活、またライフスタイル全体のバランスを整えることが本来のダイエットです。一番元気でいられる体型が自分本来の姿であると認識し、堂々としていることで、さらにメンタルな面での好循環にもつながります。

 自分の個性にも健康状態にも、常に自信を持てるようありたいものです。



著者名 丸山美由紀(ピアニスト、糸魚川市在住)

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