社交ダンス物語 366 経年劣化

コラム

 コロナは5類に引き下げ。ダンス愛好家にとって人生最大のお楽しみといえば、何と言ってもダンスパーティーでしょう。三密の代名詞とも言えるダンスパーティーは、コロナ前の勢いに戻りつつあります。マスク着用、アルコール消毒で自分も参加。とはいえ、久しぶりにクローゼットからパーティー用のドレスを引っ張り出して、着用して唖然! ドレスの肩の部分が、ストンと下へ落ちてしまうのです。愛用していたひさや製(第172話)のパーティードレス4着のうち、3着がそうです。
「痩せたの?」
ここ数年間、体重に大きな増減はありません。なのに何故? 年をとって自分は萎んだの? 早速、福岡のお店にドレスを送って診てもらうことに…。診断は、経年劣化とのこと。肩ひものゴムが伸びきっているそうで、交換をすすめられました。
 
 経年劣化、納得いたします。うちのマンションも築20年近く経ちますが、不具合が生じております。お部屋の柱がパラパラと剥がれてきました。窓枠もそう。特に日当りが良い場所は、波打って浮き上がってきます。実は柱も窓枠も天然木ではなく、木目調シートでした。お部屋の四隅の壁紙にも亀裂がみられます。うちのリーダーは国道の安全を守る仕事をしており、経年劣化には目を光らせているそうですよ。道路、橋、トンネル、洞門や横断歩道橋、標識など。トンネルの上のコンクリートが落ちる、道路の照明灯が倒れる、標識の板が落ちてくる…想像すると怖いです。それによってある日、事故や災害につながることも…。それを防ぐためにも、日々パトロールや点検をしていて、不具合があれば直すそうです。
 
 さてここで、経年劣化といえばユニクロは優秀ですね。10年以上前に購入したフリースは、光沢は若干落ちたとはいえ、いまだに現役選手です。ブラジャーやショーツも丈夫です。私はユニクロのウルトラシームレスショーツを愛用しています。薄くて軽くてなめらかな肌触り、ボトムスにひびきにくいし、ストレスフリーなはき心地。しかも何度はいても何度洗濯しても破れません。
「♪鬼のパンツはいいパンツ すごいぞ すごいぞ 5年はいても破れない すごいぞ すごいぞ 10年はいても破れない… 」
ワクワクして歌い出したくなりますね。私は普段、黒いダンススパッツを履いております。スカートを履くことは、滅多にありません。でも先日、なま足にスカートを履いて仰天いたしました。ユニクロのショーツが、ストンと下へ落ちてくるではありませんか。スパッツを履いている時やストッキングを着用している時は、不具合を感じませんでした。なま足、オソルベし?
 
 話をダンスへ。前期のダンス競技会を迎えようとしています。アマチュア競技選手のリーダーさんやパートナーさんへ。あなたの燕尾服や競技用ドレスは大丈夫ですか? 生地はよれていない? 競技用ドレスは『武士の刀』と表現なさるトッププロの先生もいらっしゃいます。錆びた刀では、戦(試合)に勝てません。経年劣化で、肩ひもや袖の上のゴムが緩んでいないかチェックしましょう。競技会場で大慌てしないように。
「そんなことよりも、冬デブになって背中の肉がドレスの中に納まらない…」
はい、その心配もあります。力まかせにファスナーを引っ張り上げたら、試合直前に競技用ドレスがプツンやバリっ! そんな災難に遭うこともないとは言えません。ドレスのメンテナンス、そして時にはリフォームも!
 
 
☆ところで、使用期限は5年とされているご自宅の消火器は大丈夫?
著者 眼科 池田成子