コラム

社交ダンス物語

2021/01/15更新

社交ダンス物語 292 リーダーとパートナーの会話 28

 真冬の病院の講堂には、ダンスの練習に挑む病持ち50代独身男女の姿あり。『諸行無常』とは、まさにこのこと。40代だった頃の栄華はいずこへ。『平家物語』の冒頭が、身にしみて感じられます。かつてはダンスホールで何時間も踊り続けるダンサーと称されていた自分達、今では出だしの15秒を踊っては、ヘナヘナと椅子に座り込みます。

パートナー:「私たち、ヤバくない?」
リーダー:「ヤバすぎだ。」
パートナー:「1次予選は突破できても、力尽きて2次予選は棄権だわ。競技、続けられるの?」
リーダー:「続けるさ。往生際の悪さは、天下一品だよ。」

 ラテン5種目を、やっとの思いで1曲ずつおさらいしました。それからリーダーは痛いお尻を押さえつつ、ラテンのシューズを脱いでスタンダードのシューズへと履き替えようとしています。やる気ホルモンの補充を受けているパートナーは、富山弁で言うダラあくび。(アゴが外れんばかりの大あくび)

パートナー:「ああ、眠い。まだ踊るの?」
リーダー:「成子さん、僕に触らないで。組んだら、お尻が痛くなる。」
パートナー:「それじゃ、ボールルームダンスにならないわ。」
リーダー:「腰が悪くても、ひろみ先生(コーチャー)と踊ったら、さほど痛くない。上手な女子は、男子をサポートしてくれる。コルセットの効果があるんだ。」
パートナー:「へぇ、そうなの? 吊り革(男子)なしで、私は踊れないけど。」

 チビ・ハゲカップルは、危機的状態。果たしてパートナーは、可哀想なリーダーを再びフロアに立たせることができるのでしょうか?


☆苦境で生き残るためには、オンナはオトコにぶら下がってはいられない?(涙…涙)

著者名 眼科 池田成子

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