コラム

社交ダンス物語

2021/05/06更新

社交ダンス物語 299 あの人は今

 過去に有名になった芸能人、スポーツ選手、政治家、話題になったあの人を調べたサイトがありますよね。そう、『あの人は今』です。消えた芸能人やアイドルが今どうしているのかしらと、気になります。ダンス界においても、しかり。競技選手として注目を浴びていたカップルが、ある日を境にしてプツンとフロアから姿を消してしまうことがあります。またカップル解消して、リーダーさんもしくはパートナーさんが、新たな方とペアを組むこともあります。
「あの人は今、どうしているのかしら…」
姿を消していった元・アマチュア競技選手のあの人は、今どこで、どうしているの? 病気を患っていないかしら? 仕事で忙しいの? どこかで誰かと、ダンスをしていたらいいな…。切実に、そう思うのです。

 あの場所は今、こちらも気になります。かつて通っていたお気に入りのお店や、何十年も前に自分が住んでいたアパートなど。ちなみに、自分がかつて住んでいた糸魚川のアパートは取り壊されて、そこに居酒屋が建っています。ダンサー達の憧れ、ボールルームダンスのメッカと称された東宝ダンスホール(第69話、第142話)は、2019年の11月をもって営業終了しました。時代のすう勢ですね。かつてはゴージャスで非日常の空間であったダンスホール、銀座のツインタワービル5階にありました。このビルは取り壊しが決定しているそうです。そして筆者がリーダーとダンスを始めてから、週末に通っていた富山県のダンスホール『バウンス』(第26話、第79話)、かつては大勢のお客さんで賑わっていました。ここも閉鎖しました。あの場所は今? 気になって先日リーダーと、バウンスを見に行きました。ダンスホールの建物はそのままありました。そこは葬儀場になっていました。

 あの患者さまは今? 今まで定期的に眼科を受診されて、目薬を処方させていただいていた患者さまが、ある日を最後にぷつんと診察が途絶えることがあります。それが緑内障患者さまなら、眼科医の心配は絶えません。緑内障は、失明原因の第1位です。これは視神経が障害されて、視野が欠けてゆく病気です。40歳以上の20人に1人、70歳以上の10人に1人が緑内障といわれ、加齢とともにかかりやすくなります。病気を治すことや、病気の進行を止めることはできません。でも、目薬で病気の進行を遅らせることはできます。緑内障の治療の基本は目薬です。生涯、目で困らないためにも、毎日決められた時間に、決められた回数の目薬を忘れず正しく点眼することが大切です。

 視覚障害の1位は緑内障と申し上げました。残念ながら緑内障患者さまの約60%は、治療開始から1年以内に通院を中断されているのが現状です。そして視覚障害の2位は網膜色素変性症、3位は糖尿病網膜症、4位は加齢黄斑変性症です。これらの病気も定期検査は不可欠です。視力の中心となる部分(網膜の黄斑部)に水が溜まってむくんだら、速やかな治療が必要となります。病院からお姿を消された患者さまが心配です。見えている、忙しい、困っていない、コロナで足が遠のいてしまう…。お気持ちお察しいたします。でも、人生100年時代です。危機感を持って、今、治療をすることが肝心です。どうか、治療を続けてくださいね。


☆あの人、あの場所、スウィート・メモリー

著者名 眼科 池田成子

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