社交ダンス物語 353 続・ないっ!

コラム

 皆さま、こんにちは。糸病・眼科の池田です。さて、ご自分に無いものといえば、何を連想されますか? ちなみに、小学生時代の筆者のあだ名は「池チビ」でした。中学、高校時代もチビのまま。自分に無いものは身長です。そして、髪の毛。
「ソリ、入れんなよ!」
男の子から面と向かって、そう言われていましたね。ソリ、バリバリの昭和生まれの方なら、ピンときますよね。横浜銀蝿の、『ツッパリHigh School Rock’n Roll』の歌詞にもあります。自分はソリなんて、入れていませんよ。ソコに、髪の毛が生えていないだけ!そして、オバさんになって無くなってゆくものといえば、お肌のコラーゲンやエラスチン、そしてヒアルロン酸です。しわ、たるみ、目の下だるん。怖すぎー!(ムンクの叫びマーク)
 
 「無い」をイメージすると、お金、時間、体力、気力、健康、歯…などなど。ご自分は無いものだらけだという方も、いらっしゃるとご想像されます。筆者もそうです。病持ち50代女性、家なし、旦那なし、彼氏なし、子供なし…。(涙)無くても、へこんでいる訳には行きません。人生は、一度きりしかないのです。無い自分を、真摯に受け止めなければなりません。チビ・ハゲ50代独身女、じきにアラ還。開き直りも肝心? 無いものは、無いのです。こうなったらコンプレックスを逆手にとって、「無い!」を楽しむしかありません。(苦笑)
 
 ちなみに、自分はダンスにおいても、「無い!」だらけです。競技ダンスをしていて、「身長」が無いのはイタいのですが、技術が無いのは致命的。自分はダンス発達障害? いまだに基礎が出来ていません。(涙)その分、年とっても「伸びしろ」はあるの?(苦笑)うちのコーチャーの話によると、自分たちに無いのは「送り足」だそうです。
「なんだ? それ?」
ダンスをなさらない方へ、解説いたします。送り足とはルンバウォークの場合、後ろ足と前足を交互に使い、背骨を移動させてゆくことです。あと、「体幹」も無いです。ラテンダンサーの憧れ、むちっとした太腿の筋肉もありません。自分の脚は、「割り箸」か「トリの足」。
 
 最後に、お婆さんへと成熟するにつれて無くなってゆくもの、それは何と言っても「脳細胞」でしょう。自宅のお部屋にいて、先程まであったスマホが見当たらないのです。どこに置いたかも、思い出せません。自宅の電話機から、自分の携帯に電話をかけてみました。マナーモードにしていないのに、音がしません。
「え”? 何で?」
冷蔵庫を開けたら、何とそこにスマホが…。忍び寄る認知症? 冷蔵庫の中は密閉されているので、着信音が聞こえなかったのですね。かつて、『ないっ!』(第326話)で書きました。リーダーのおうちで、届けてもらったお魚が無くて大騒ぎ。洗面所の棚から異臭が…。リーダーのお婆さんが冷蔵庫と間違えて、そこへ入れておられました。筆者と同じ、プチ問題行動や物忘れなさるという方へメッセージ。恐れることなど、何ひとつありません。正常人でも、脳細胞は1日に10万個ずつ死滅しているのですから。今日の自分が一番若い。善は急げ! 今を大いに楽しみましょう。今を踊りましょう。
 
 
☆ピンチはチャンス! 物忘れのお陰で、エッセイのネタ出来ました。(笑)
著者 眼科 池田成子