社交ダンス物語 395 リーダーとパートナーの会話 45

コラム

 前期関東甲信越競技ダンス山梨県大会にて。B級ラテンの一次予選、今回の競技種目はチャチャチャとサンバです。予選では十数組の選手が同時にフロアに出て、曲がなると一斉に踊り始めます。フロアサイドには数人のジャッジが立っていて、目に入る選手からチェックが入ります。チェック数により、次の予選へ勝ち上がれるかどうか決まります。チャチャチャの一次予選を踊り終えて。
 
パートナー:「なんでジャッジから一番遠く離れた所で踊ったの? 他の選手達はジャッジの目の前で、「見ろ!」とばかりに踊っていたのに…。」
リーダー:「みんなジャッジの前で、ひしめき合っていたね。」
パートナー:「私たち、ジャッジに拾ってもらえないわ。」
リーダー:「ぶつかったら、ストレスを感じるからね。よその選手から離れて踊ったよ。」
パートナー:「ジャッジから離れて、一組だけ遠くで踊っていられるのは、絶対に優勝すると確信している選手ぐらいよ!」
 
 次はサンバです。音が鳴り出したのに、リーダーは踊ろうとはしません。よその選手達が全員踊り出してから、ようやく動き始めました。踊り終えて、パートナーはまたもや不機嫌です。
 
パートナー:「なんで一番最後に踊り出したの?」
リーダー:「周りが出ているから、自分も早く出なければならないことはないよ。」
パートナー:「フツーはね、一番最後に踊り出して良いのは、チャンピオンクラスの自信のある人よ。つまり、余裕のある人!」
リーダー:「成子さん、慌てる××はもらいが少ない。」
 
 嗚呼、チビ・ハゲ。ジャッジから何チェックもらえるの? B級一次予選のサンバ、うちのリーダーは自信があるから最後に出たのではなく、音がとれないので最後に出た模様。本人は、音を外すよりマシとうそぶいています。
パートナー:「ゼロチェック、おだんご(第18話)間違いないわ。」
 
 
 ひと昔は、試合結果は紙にプリントされボードに貼り出されていました。選手達は一斉に集まって、我先にと押し合いへし合い。(第249話)現代はスマホでスマートに確認できます。
リーダー:「フッフッフッ 残っていた。」
パートナー:「パートナーがイカすからよ!」
リーダー:「リーダーがカッコいいからさ。」
チビ・ハゲ、したり顔。嗚呼、おめでたいカップル? (笑)
著者 眼科 池田成子