デモで自分達が踊っているビデオを見て、チビ・ハゲ、ガーン。なぜって、それは自分がイメージしていたダンスとは程遠いのです。もっとマシかと思っていました。まるで園児のお遊戯。パートナーは音に早すぎ! しかも足さばきが汚い! 自分の踊りに目を覆いたくなりました。穴があったら入りたいっ! ダンス歴20年、嗚呼、『ダンス発達障害』と自己診断。(涙…涙)
「ダンスをなさらない人が見たら、上手・下手は分かりません。」
これは19年前、自分が初めてうちのダンススクールの門をくぐった時に、コーチャーがニコニコしながら言っていた言葉です。それ、ホントなの? そこで目を覆いたくなるような自分達の動画を、お坊さん(弟)にラインで送ってみました。「素晴らしい!」とコメントあり。『10』『10』『10』『億!』と書かれたプララードを掲げたネコちゃん達のスタンプが送られてきました。
それ本音? お世辞? 試しに、ボールルームダンスに馴染みのない友人達にも、同じく自分達が踊っているデモの動画を送ってみました。
「リーダーさん、キレッキレ!」
「若々しくて、ステキ! エスコートお上手!」
「すごーい!」
「美しい!」
お褒めのコメント、雨あられ。
それ本音? お世辞? そこで次に、アマチュアボールルームダンスの上級選手の先輩に、デモで自分達が踊っている動画を送って感想を伺ってみました。コメントは…。
「いいじゃないですか!」
「すっごく楽しそうですよ。」(ヒヨコが小躍りしているスタンプ付き)
そういえば、ラテンD級からC級になりたての頃、競技会場へお坊さん(弟)が応援に来てくれたことがありましたね。後日、当時の世界ラテンファイナリストであるスラヴィック・クリクリビーが踊っている動画を、弟に見てもらいました。世界には神のような、もの凄いダンサーがいるのですよと。するとお坊さん、クリクリビーとうちのリーダーの踊りはどう違うのと真顔で聞いてくるから、コワすぎ!!
それ本音? お世辞? コロナ前は月岡温泉でダンスの技術講習会が開かれていました。講習会の後はダンスタイム。プロの先生が一般のお客さんのお相手をしてくださいました。
「うまいっ!」
自分とワルツを踊ってくださったよそのお教室の男先生は、極上の笑顔で褒めて下さいました。(アタシって、ダンス上手だったの?) 畏れ多くもうちのリーダーは、新潟の誇るラテンのプロ現役競技選手の先生をお誘いして、ルンバを踊ってもらいました。
「さすが、実力者。新潟の競技選手の間でも、うまいと評判です。」
その女先生、うちのリーダーに真顔でおっしゃったそうです。本人は、すっかりその気にさせられた模様。スゴすぎ!
社交ダンスに限らず、世の中は社交辞令で満ちあふれております。
「そのネクタイ、とてもお似合いですね。」
「このお料理、とても美味しいです。」などなど。
世知辛い世の中、人を気持ち良くさせた者勝ち!でしょうか?(笑)
☆手術翌日の朝の回診にて。患者さまの眼帯を外して…
眼科医:「見えますか?」
患者さま:「はい、池田先生の美しいお顔が見えます。」
著者 眼科 池田成子