社交ダンス物語 416 夢みるミジンコ

コラム

 毎年4月に開催される新潟県ダンス選手権にむけて、先日、高田のダンススクールでラテンのレッスンを受けました。コーチャー(女先生)からのコメントは…、
「あなた達の踊りは、感動しません。」
ルンバ、それは男と女の愛の駆け引きを表現する踊りです。愛のかけひき、過酷にも彼女いない歴60年のうちのリーダーに、それが求められるのです。(涙…雷)指先から足の先まで、からだ全体を使って演じなさいとコーチャーは力説。そもそもペアの演技は、合わせるのが大変です。オリンピック、フィギュアスケートペアで、男女が音楽に合わせて氷の上で寸分のブレもなく踊っている演技、ペア競技の力強さとその美しさに感動いたしました。アクロバティックな演技、我が事のように緊張して息をのみました。チビ・ハゲ、ラテンを踊っていて、リーダーがパートナーの手をつかみ損ねることがあります。ボールルームダンスの場合、スッテンコロリンで済みますが、スケートペアは命取り。一つのミスで、命を失いかねません。氷の上で相手に命を預ける…同じ競技者として、フィギュアスケートペアは「神」。自分たちチビ・ハゲは「ミジンコ」です。
 
「音を正確にとりなさい。」
 これはコーチャーから毎回きつく言われています。自分たちチビ・ハゲの踊りは、音に合っていないとのこと。チャチャチャは音よりも早くなり、ルンバは最初音に合っていても、リーダーが途中から合わなくなるそうです。それはパートナーの責任とコーチャーから指摘されました。(ワルいのは、オンナのせい?)ダンスも手術と同じ。うまくゆかないのには、理由があります。(第415話)自分の場合、しっかり床に乗れていないので、送り足が使えないのも理由の一つ。だから、コーチャーの言うアシャシャの踊り(余裕のない踊り)になるのですね。ボールルームダンス(社交ダンス)は、音楽に合わせて男女が踊るもの。音楽を踊りで表現します。ダンサーと観客(ジャッジを含む)が共有しているものは音。音を外して踊ったら、どんなに見栄えの良い踊りをしても、ジャッジには見てもらえません。点数がつけられるなら、ゼロ点となります。
 
 では、どうしたら、音を正確にとれるのでしょうか? コーチャーいわく、日頃から歌を歌いなさいと。自分の苦手なものに、「パソコン、英会話、朝ごはん」があります。(第184話、325話)、何を隠そう、歌も苦手です。ギガ音痴。どうしたら、そんな音痴に歌えるの?と思われちゃうくらい。カラオケで皆さんの前で歌えと言われたら、ダンスパーティーでサンバの曲がかかった時と同じ、その場から逃げ出したくなります。(サンバは特に苦手、競技の足型しか踊れませんので。)そこで、コンプレックスを逆手にとる? 眼のレーザー手術を受けられる患者さまがカチカチになっておられる時、患者さまの緊張をほぐす目的で、自分は手術をしながら歌を歌います。
眼科医:「♪かえるのぴょんたすごいな〜 三段跳びで2メートル〜 」
患者さま:「やめてください!!」
池田の歌を聞かされて、手術の緊張がほぐれましたか? えっ!ゴーモンですって? はい。歌は車を運転する時、ひとり車の中で歌うようにいたします。(笑)
 
 話題を感動するダンスに戻します。ダンス界のミジンコことチビ・ハゲ、どうしたらお客さまに感動していただけるダンスを踊ることができるか、ミジンコなりに模索しています。かつてダンスには三通りあると申し上げました。(第260話)二人が楽しいダンス、美しいダンス、そして勝つためのダンス。あと、付け加えるとすれば、見たいダンス! かつて日本インターナショナルダンス選手権大会で、プロのチャンピオンカップルのデモよりも、ダンス愛好家とチャンピオンのパートナーさんのデモの演技に、大観衆は沸き上がりましたね。お客様の見たいダンスと、勝つためのダンスは別物のようでした。
「まずーい! もう一杯!」
これは1990年、キューサイ青汁のCMの名セリフ。
「下手だ、チビ•ハゲ! もう一回見せろ!」
夢みるミジンコ、お客様に楽しんでいただけるダンサーを目指します。
 
 
☆「自分達はこうです!」 ダンスで自分を表現したい!(笑)
著者 眼科 池田成子