依頼放射線検査に関する注意事項(必ずお読みください)
About CT and MRI
検査時に脳出血や急性期脳梗塞、動脈解離(症候性)、重症な骨折、慢性膵炎急性増悪、腫瘍破裂など、離院させることが困難と思われる所見に診療放射線技師が気づいた場合や、予測不可能な容態急変に遭遇した際、診療放射線技師は院内の取り決めに従い、糸魚川総合病院医師に所見や患者の状態を報告します.報告を受けた医師は加療や入院、もしくは転院などの措置についての判断を行います.離院が可能と判断された場合は事前に案内された方法で離院いただきます.離院が難しく加療や入院、もしくは転院などが必要と判断された場合、ご依頼の医療機関さまには地域医療連携室を通じご連絡いたします.
造影剤を用いたCT/MRI検査を安全にお受けいただくにあたり、造影の可否を判断する指標として、事前に腎機能の評価をお願いします.評価は血清クレアチニン値もしくはeGFR値でお願いします.問診票兼造影剤使用同意書に記載いただく血清クレアチニン値もしくはeGFR値の有効期限を検査日より3ヶ月以内とさせていただきます.各種ガイドライン※より、ヨード造影剤、ガドリニウム造影剤ともに、eGFR<30mL/min/1.73m2を【禁忌】、eGFR<60mL/min/1.73m2、血清クレアチニン値では男性sCr>1.2mg/dL、女性sCr>1.0mg/dLを【注意】と当院では定めさせていただきます.診療情報提供書、造影剤使用同意書に記載された内容を元に放射線科医師(非常勤)が造影の可否判断を最終的に行います.このため、ご希望の検査内容に添えないことがありますが、予めご了承ください.
※腎障害患者におけるヨード造影剤使用に関するガイドライン2018
腎障害患者におけるガドリニウム造影剤使用に関するガイドライン2009
検査中または検査直後に造影剤による副作用が出現した場合には、造影担当看護師がバイタルサインチェックや徴候の確認を行い、副作用の程度のトリアージを行います.軽度の副作用と判断された場合には、お休みいただいた後、事前に案内された方法で離院いただきます.中等度以上の副作用と判断され場合には、院内での取り決めに従い医師への救援要請を行い、医師の判断により処置が行われることがあります.程度によっては入院加療などの濃厚な処置が必要となることがあります.その際はご依頼の医療機関には地域医療連携室を通じ連絡をいたします.造影剤の副作用には稀にですが造影後数時間〜数日内に出現する「遅発性副作用」があります.遅発性副作用の多くは掻痒感や皮疹などの軽度なものが多いですが、このような症状が出現した際には時間を問わず、糸魚川総合病院までご連絡ください.
造影剤CT/ダイナミックCT/ダイナミックMRI検査では、造影剤自動注入器(インジェクター)を使用し造影剤の急速静注を行います(体重や検査に応じ1〜5mL/sec程度).造影担当看護師は注入前には@事前に血管確保がされている場合は穿刺部の痛みや腫脹の有無、逆血確認を行います.A事前に血管確保がされていない場合には、穿刺時に逆血確認や少量を注入し疼痛や腫脹の確認を行います.注入中、注入後は造影剤注入による副作用の有無を観察しながら、穿刺部の痛みや腫脹の有無を確認します.検査担当技師は、造影剤注入中、血管にかかる圧力をインジェクター付属のモニタで監視をします.
しかしながら、造影剤の血管外漏出は完全に防ぐことはできません.造影剤の血管外漏出が起こった際には、院内の取り決めに従い、処置が行われることがあります.漏出が少量の場合は冷罨法による処置を患者さまにお伝えし離院していただきます.数日経過しても症状が緩和されない場合や症状が増悪する場合には、糸魚川総合病院までご連絡をいただくよう患者様にはお伝えします.漏出が多量の場合は造影担当看護師もしくは検査担当技師が医師に報告します.医師は外科的処置の必要性について判断を行います.切開など濃厚な処置が必要と判断された場合には、ご依頼の医療機関には地域医療連携室を通じ連絡をいたします.
ダイナミック検査では通常の造影検査よりも早い流速での造影剤注入を行うため、通常の造影検査に比べ造影剤漏出および漏出時の皮膚障害などについてリスクが高いと言えます.このため検査前には、通常よりも太いゲージの留置針で静脈路確保を行っております.また、当院は常勤放射線科医師がいないため、ダイナミック検査時には放射線技師と看護師のみで対応しております.このような障害の発生リスクや発生時の重症化リスクを低減させるため、非常勤放射線科医師が診療情報提供書の内容から必要と判断した場合に限り、ダイナミック検査は施行させていただきます.従いまして、ご予約の段階ではダイナミック検査の依頼はご遠慮いただき、造影の有無の選択のみとさせていただきます.
検査内容変更連絡票の内容についてのお問い合わせにつきましては、ご対応不可とさせていただきますので予めご了承ください.
About CT
@ 植込み型ペースメーカー
本品を植え込んだ患者のX線CT検査に際し、本体にX線束が連続的に照射されるとオーバーセンシングが起こり、ペーシング出力が一時的に抑制される場合があるの で、本体にX線束を5秒以上照射しないように十分注意すること※1
A 植込み型除細動器(ICD)
本品を植え込んだ患者のX線CT検査に際し、本体にX線束が連続的に照射されるとオーバーセンシングが起こり、適切な治療の一時的な抑制又は不適切な頻拍治療を 行う可能性があるので、本体にX線束を照射しないよう十分に注意すること※1
B インスリンポンプ・持続グルコース測定器
インスリンポンプ・持続グルコース測定器は磁気の影響を受ける可能性があります。 検査前に必ず取り外しをお願いいたします。※2
※1 医政総発第1125001号、医政総0924第3号
※2 (公社)日本糖尿病協会 ホームページ内 お知らせ 2017.9.1
当院の見解
@ 植込み型ペースメーカについて
当院のCT装置で、胸部を含む通常のCT検査を行う場合、本体に連続した5秒以上の照射を行う可能性は少なく検査をお受けできます。しかし、特殊な検査では連続した5秒以上の照射が行われる可能性もあります。リスク回避のためにペースメーカ装着患者である旨を予めお知らせください
A 植込み型除細動器について
秒数に関係なく照射しないよう注意することとあるため、ICDを植え込まれた患者様につきましては、部位によっては検査をお断りさせていただく場合がございます
B インスリンポンプや持続グルコース測定器について
取り外し後の検査は可能ですが、放射線科としては当該機器の取り外しや取付などは行いません。ご自身での正しい取扱いができる方のみ検査をお受けする旨、ご了承ください。
[ヨード過剰に対する自己調節メカニズムが機能できず、症状が悪化するおそれがある]
当院の見解
禁忌
禁忌項目に該当する場合、造影(ダイナミックを含め)CT検査について、依頼をお引き受けできません.
特定の背景を有する患者に対する注意
前記項目番号2〜8、13についてを問診項目とさせていただいております.このうち2〜7の項目および13に該当がある場合、原則的には造影(ダイナミックを含め)CT検査について、依頼をお引き受けできません(13.糖尿病 について.ビグアナイド系糖尿病薬を服用されている方につきましては、検査日の前後それぞれ48時間休薬指示をいただき、患者さまがこれを守られた場合、造影検査をお引き受けします.).
ただし、依頼医が問診項目について確認した上で、造影剤使用を可能と判断し、署名がある場合にはこの限りではありません.
About MRI
検査不可のものと条件付き可能のものに大別されますが、一部可能、逆に一部不可のものもあります.詳細については製品情報や関連機器についての患者向け手帳などをお持ちの方につきましては、依頼医療機関を通じて糸魚川総合病院放射線科迄お問い合わせください.PMDA※等を利用し、検査可能か否かをお調べすることは可能です.なお、該当項目があっても、撮影部位が同じ検査歴があり、その際に異常がなかった場合は検査をお受けすることは可能です.(ペースメーカー、ICDなど当院での禁忌相当は除く)
※独立行政法人 医薬品医療機器総合機構 (pmda.go.jp)
MRI検査を受けるための条件(患者さまとそのご家族へ) | 慢性疼痛用条件付きMRI対応神経刺激システム | Medtronic Japan (mri-surescan.com)
本剤の成分又はガドリニウム造影剤に対し過敏症の既往歴のある患者
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、診断上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること.
診断上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること.
2〜17歳の患者を対象とした臨床試験では、138例中8例 (5.8%)に副作用が認められた.発現した主な副作用は、 味覚異常2例(1.4%)、熱感2例(1.4%)であった5).また、 0〜2歳未満の患者を対象とした臨床試験では、44例中1 例(2.3%)に嘔吐が認められた.
患者の状態を十分に観察しながら慎重に投与すること. 一般に生理機能が低下している
当院の見解
禁忌
禁忌項目に該当する場合、造影(ダイナミックを含め)MRI検査について、依頼をお引き受けできません.
特定の背景を有する患者に対する注意
前記項目に該当がある場合、原則的には造影(ダイナミックを含め)MRI検査について、依頼をお引き受けできません.
ただし、依頼医が問診項目について確認した上で、造影剤使用を可能と判断し、署名がある場合にはこの限りではありません.